精密灌水による水の有効利用

精密灌水による水の有効利用

世界中の生産者たちが、干ばつ、蒸発、塩類化、地下水の枯渇、貯水量の不足などの課題に直面しており、水資源利用の高効率化に迫られています。精密灌水なら、水の利用方法を変えることで、困難な課題へも取り組むことができます。より少ない水で、収量・品質を向上させることができるのです。

水を有効活用する

精密灌水は、貴重な資源をより有効に活用することができ、毎シーズン、より良い作物をより多く収穫することができます。その方法は次のとおりです。

地表流出や地下浸透を防ぐ

精密灌水では、適切な量の水と養液を根に直接与え、根域を適度な水分状態に保ちます。水を過剰に供給せず、流量も適切であるため、精密灌水では地表流出や地下浸透が解消されます。精密灌水システムの設計は、土壌の吸水性や作物の消費量に合わせて行うため、水は有効な根域にとどまり、作物が必要な時に吸収されます。その結果、より少ない水で、より良い作物をより多く収穫することができます。

排液の再利用で貢献

排液は無駄にせず、有効に利用することができます。しかし、病原体を含む水は再利用できるとは限らず、湛水・スプリンクラー設備によって作物が汚染されてしまうかもしれません。一方、点滴灌水では、水は作物の根まで直接届けられるので、汚染物質に接触することはなく、しかも生長に必要な量の水を適量吸収することができます。そして、それまで利用できなかった水を、貴重な資源へと大量に変えることができます。

蒸発散量を軽減

散水チューブや大型スプリンクラーなどで散水を行った場合、蒸発により大量の水が失われてしまいます。これらの設備で灌水を行った場合、15~30%の水は地表に届くまでの間に蒸発し、作物の根域に到達することはありません。しかし、点滴灌水で水を直接根域に与えた場合は、水が蒸発するスキがありません。これにより、水を適正に利用できるので、水を一滴残らず還元することができます。つまり、点滴潅水をするだけで、同じ量の水でさらに30%もの土地に灌水を行うことができる計算になります。

土壌の状態を改善

湛水などの灌水システムでは、短時間に大量の水を供給し、土中で極端な飽和状態が発生します。その結果、通気性が悪化し、水と空気のバランスが崩れて、作物の根にストレスのかかる条件となります。また、過剰な水は、作物にとって有益な肥料を根域の外に溶脱させ、作物が得られる養分を減らすだけでなく、地下水汚染の原因にもなります。精密灌水では、土壌の種類や作物の必要性に合わせて最適な量とタイミングで灌水を行えるため、土壌内の空気と水の比率を最適化し、養分を必要な場所にとどめることができます。

持続可能性は収益性を意味します

サステナビリティと利益の両立

持続可能性の高い農業は、収量・品質・収益を向上させると考えられています。食糧安全保障や耕地の必要性など、世界の重要な課題を解決するために、精密灌水がどのように役立つかをご覧ください。

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水の有効利用についてご相談ください。

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